混沌の闇に誘われし旅人の手記

うちのこおんりィエエエエエエエエアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああアアアアアアアアアッハアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!?!??!!?

【リプレイごっこ】偽善の悪魔

 少年は、走っていた。
 引かれる後ろ髪を振り払うように、迷いを払い退けるように。
 かつて逃げ出したあの日のことを、少年は一瞬思い出して、その想いを頭から追い出した。
「……集中しないと、な」
 そう独り言をこぼし、少年は足を止めた。目的地に到着、少年はとある“任務”の遂行のため、情報収集を始めた。だが——

「がおー」
 少年の背に、剣のような、角のようなモノが突き立てられた。だがそれを察知していたように、少年は盾を顕現していた。

GM:というわけで、情報収集判定は無事失敗したわけですが。
善野:うるせーぞ
??:ドンマイ、ドンマイ!ここからだよ!
善野:……そうだ、お前誰だ?背後から奇襲なんて卑怯だぞ。
GM:お前が言うなよ
??:あたしー?あたしは、牧尾唯だよ!お話きいてるよね?お手伝いにきたんだー!
善野:お前が協力者のチルドレンだって?

 それは、数時間ほど前に遡る。
 任務もなく退屈なので、仮眠でも取るか、最近できたとかいう気になる店でも覗きにいくか、と考えていたところ、善野の携帯電話から着信音が鳴り響く。
 着信の主は、N市支部長。これから伝えられることを予想して若干の落胆を覚えつつも、彼は携帯電話を耳に当てた。
 彼の口からは、簡潔にこれだけが伝えられた。ここ数日、通り魔殺人が起きていること。それには、Exレネゲイドの刀を用いたオーヴァードが関連していること。その調査と、できることなら刀の回収、あるいは破壊を命じる、と。
「……それは俺の単独か?」
「いや、チルドレンをもう1人つける。現地で合流すること。今の所、そいつは一般人ばかり狙っているが……念のため、気をつけてくれ。生き残った人間はいない」
 冷静な声で非情な現実を突きつける。どうせ退屈していたところだ、ちゃっちゃと片付けてしまおう。
 そうして、集合場所に向かいつつ、情報収集を行っていたのだが……

善野:しかし、収穫ナシか……開始早々、気が滅入るな
牧尾:生き残った人間はいないっていうからねー。むずかしいかもしれないよー?
善野:お前は随分呑気なんだな。支部長は、もう少しマシな同行者をつけてくれても良かったんじゃないか?
唯:むー、あたしだってやればできる子だもん!

 そうして駆け出した唯。だが、その先に人影があり立ち止まる。

唯:わ!……誰?
善野:どうした?……あ、お前……
鎌瀬:! ど、どうしてここに……ああいや、ゆ、UGN!?なぜ貴様らがここにいる!?
善野:そりゃこっちの台詞だよ、FHがこんなとこで何してやがんだ?
唯:……!この人、敵なの?じゃあ死んで!
鎌瀬:にぎゃああ!?いきなり刺そうとするな!死んじゃうかもしれないだろ!って、死んでってハッキリ言われたぁ!?
唯:だって、敵さんでしょ?
鎌瀬:うるさい、危ないだろ! フン、いつもなら相手をしてやるところだが、あいにく俺は重要な任務の最中でな、UGNに構っている暇などないのだ!セルメンバーが被害を受けた、刀使いのオーヴァードの調査という極秘任務のな!
善野:……喋ったら極秘にならないんじゃないのか
鎌瀬:はっ!?……おのれUGNめ!
善野:今のは完全にお前の非だろうに……
唯:……セルメンバー?オーヴァードが狙われたっていう話は聞いてないのに。
善野:話にないだけで、無差別に狙っているだけかもしれないぞ。一般人はオーヴァードに抵抗できないからな
唯:んー、それもそうかなあ?ちょーさしないと……敵さんも手伝って!目的が一緒ならいいでしょ!りよーできるものはりよーしろ、って教えられたもんねー!
鎌瀬:な、なんだと!?誰がUGNなどと共に任務など……!
GM:さて、そんなところに、女の子の歌声が聴こえてくるよ。

 時刻は逢魔時。
 昼と夜の、境目の時間。
 彼らの前に現れたのは、“刀”を手にした少女だった。

鎌瀬:なっ……その刀、まさか!
善野:驚いた、向こうからお出ましなんてな。だが、都合はいいだろ?
少女:……ふふ

 少女は虚ろな目で彼らを見つめ、ゆらりと刀を構えた。
 橙色の光に照らされた刀身が鈍く輝き、異界に誘われるような不気味さを発している。

GM:と、いうわけで、戦闘だよ。セットアッププロセスで宣言するエフェクトは?
善野:俺はナシ。
鎌瀬:持ってないなー
唯:あたしもない!
GM:じゃ、イニシアチブプロセスに移ろう。少女の行動値は5、善野は12、鎌瀬は14、唯は3か。
鎌瀬:お。俺が1番か。
唯:ひゃー、ビリだ!がんばれー
鎌瀬:範囲攻撃でも来たら怖いしな、2人から離れる。マイナーで移動。それから攻撃するぜ!《コンセントレイト》《光の弓》《黒の鉄槌》!
GM:オッケー。6d10のC8。判定どうぞ。
鎌瀬:っと……!?判定値35、技能のRCを加えて、達成値は38だな。
GM:うお!なかなか回ったねぇ……よし、ダメージを算出して。
鎌瀬:ダメージダイスは……22。固定値が9だから、31ダメージだな!くらえ!
GM:回避は……失敗。大した装甲もないんで、大人しく受けよう。次は善野?
善野:ああ。俺もマイナーで移動、《コンセントレイト》《レインフォース》《砂の刃》。
GM:はいはい。6d10のC8だね。判定を。
善野:……そこまで回らなかったか。17+4で、達成値21。ダメージダイスは9で、固定値は7だから、ダメージ16。
GM:達成値21かぁ。ガード軽減されるし、回避してみるか。……うはぁ、達成値19!仕方ない、受けよう。

 魔眼の重力で身体の外側から圧壊し、砂の刃に貫かれてもなお、恍惚と微笑んだままの少女。彼女は善野の元に、人ならざる速度で走り距離を詰めた。

GM:善野にエンゲージ。《コンセントレイト》《さらなる波》《音速攻撃》《命の剣》で攻撃。武器は日本刀ね。12d10のC7……お、43か。白兵6で、達成値49。
善野:うげっ、なんでこっちに。
GM:ダメージダイスは……40で、固定値12。武器の攻撃力を足して52だ。
善野:52って……2回くらいは死ねるぞ俺。……念のため回避振るけど、まあ、ダメだよな。大人しくリザレクトするか。
GM:はーい。
鎌瀬:斥力障壁……使っても、最大で16ダメージしか減らせないか。すみません、善野さん!
善野:なんでそっちが謝るんだよ、変なの。……さて、来るなら来やがれ。

「っぐ……!」
 善野は、鈍く光る刀に貫かれて体勢を崩す。しかし、呻きながらももう一度立ち上がった。その姿は、彼らオーヴァードの不死性を象徴しているかのようだった。
 それを見ていた唯は、半身を低くして構える。

唯:あたしの番!
GM:はいはい、どうする?
唯:《一角鬼》のあと、《ハンティングスタイル》でおねーさんのとこに行くよ!
GM:唯は善野、少女とエンゲージ。それから?
唯:攻撃エフェクトは取ってないからー、《コンセントレイト》!
GM:よし、8d10のC8で算出。
唯:えっとー……出目は17、技能も合わせて、達成値20!ダメージは……9と、一角鬼を合わせて15だね!
GM:それぐらいならガードしよう。《歪みの体》と、日本刀のガード値を合わせて、10軽減する。
唯:あうぅ、5しか通らなかったー!
GM:少女は、もうボロボロだよ。それでも、楽しそうに笑ってる。
鎌瀬:……楽しんでやがるのか?不気味なヤツ……!
GM:ふふふ。クリンナッププロセスの処理は特になし、次のラウンドに進もう。セットアップは今回もないね?イニシアチブプロセスだ。
鎌瀬:覚悟!《コンセントレイト》《光の弓》《黒の鉄槌》!
GM:うっす。判定どうぞ。6d10のC8ね。
鎌瀬:判定値22、達成値25だな。
GM:よく回るねー、羨ましいよ。ダメージ算出どうぞ。
鎌瀬:ダメージダイス18、固定値9。
GM:厳しいなー……回避失敗。光に貫かれて、少女は動きを止めたよ。

 ぼろぼろと、少女の身体は崩れ落ちていく。しかし、刀を持つ手だけはしっかりと形を保っていた。それは実に不気味で、形容しがたい狂気を孕んでいる……。
 少女は未だに、苦しむ声のひとつもあげずにニタニタと笑い続けていた。ただ一点____まだ血の滲む、善野の傷跡を見つめて。
 ぽっかりと、心臓のあるべき場所に大穴が開いているのに。
「……ひっ!? ……こいつ、もう生きてませんよ!」
 それは、オーヴァードの不死性ですら説明のつかない現象だった。なぜなら少女は……既に腐りかけた死体だったのだから。

GM:さあ、君たちが驚いてるうちに、ぐちゃぐちゃと音を立てて大穴は塞がって、彼女の身体は元どおりに戻っていくね。
善野:……読んで字のごとく不死の身体、ってか。冗談じゃねえ
唯:あんなの、ただのゾンビだよ!
鎌瀬:うっ、ちぎれた部位が繋がってって、気持ち悪い……
少女:……♪ ♪♪

 少女は傷もふさがらないうちに、再び善野に斬りかかった。しかし、先程よりずっとおぼつかぬ足取りであったため、容易に回避できた。
「今ならなんとかなるよ、一旦逃げよう!」
 唯は、ただ単純に殴り合うだけではこの化け物をなんとかできないと直感していた。それは、獣の第六感か、はたまた女の勘、と呼ぶべきものか。まともにやりあって勝てる相手じゃない、とそれだけ、本能が警鐘を鳴らしていた。

GM:逃げるってことでいいね?いまなら、鈍いからいけるよ。
鎌瀬:し、仕方ない!体制を立て直すのが先だっ
善野:アイツ……今度こそなんとかして、……ぐっ
鎌瀬:善野さん、さっきの傷が!?大丈夫ですか、無理は……
善野:……うるさいな、無理なんかしてねえよ。この程度の傷、俺たちオーヴァードにとっちゃ擦り傷じゃねえか
唯:……防御はあたしのとりえなのに、遅いんじゃ、意味ないよね……
善野:馬鹿、ヒーローはこの程度じゃ負けねえよ。お前が責任感じる必要なんかどこにもないだろうが。
唯:……あたし、がんばる。

 気を取り直し、情報収集に入る。過去の案件などを洗って、不死の——否、屍のオーヴァードの対処の仕方など、簡単に出てくるものではないが……。

善野:……侵食補正でダイス3個。〈情報:噂話〉達成値28。
GM:マジで言ってるぅ……?
鎌瀬:さっき振るわなかったぶんが来た……!
唯:出目が極端なんだよぅ。
善野:うるせえな。これで冒頭のやつはチャラだろ?もっと褒めてくれよ
唯:おにーさん、やればできる子だぁ!
善野:お前バカにしてるのか?さて、情報くれよ。
GM:ここまで馬鹿みたいな達成値出されちゃうとねぇ。オマケしないとねぇ。全体的に社会低いから優しめにしておいてあげたのになぁ?
善野:ん?全員社会幾つなんだ?(【社会】2)
鎌瀬:え?(【社会】1)
唯:あはは(【社会】2)
善野:……(頭を抱える)

 なにはともあれ、GMのオマケで「刀さえ取り上げれば屍人の少女は無力化する」、「彼女は血に執着している」ことがわかった。

唯:……そういえば、善野さんの傷口に熱い視線を送ってたような……?
善野:マジかクソ、勘弁してくれよ……!
唯:今度こそ、あたしが盾になるもん!あたしのほんりょーは、防御にあるのッ!
鎌瀬:……か、刀さえ取り上げるか、破壊すればいいんだな?もう再生しないんだな!簡単なことだ。
善野:……時間も遅くなってきた。早めにケリをつけとこーぜ

 妖魔と遭遇する時間、逢う魔が時。
 夕暮れは過ぎ去り、空は藍色に染まる。
 空には、いやに明るい、紅の月が浮かんでいた。

GM:うんうん。それじゃ、〈知覚〉で判定いっとこうか。目標値6。
善野:いきなりかよ?……10、成功
鎌瀬:任せろー♪こっちも10か。成功!
唯:5だぁ……
GM:唯は技能もないから仕方ないな。よし、じゃあ2人は遠くから悲鳴が聞こえるね。
善野:……!?
鎌瀬:悲鳴が!
唯:えっなになに、うそでしょ!?
GM:さあ、どうする?
善野:向かうに決まってるだろ!俺を誰だと思ってるんだ!

 これは、“ヒーロー”としての責務だ。善野は反射的に駆け出し、声の方に向かった。
 日常を、守る。助けられる人を助ける。それが、正義の味方の役目なのだ。力が恐れられようと忌み嫌われようと、日常から隔離されていようとも、それは変わらない。少年はそのために、裏切り者〈ダブルクロス〉となってでもここに居るのだから。

GM:うむ、たまには主人公らしいことするじゃないの。2人も行くよね?
鎌瀬:おう!
唯:あったりまえじゃん!
GM:いいね。ではそこに向かうと、血を流している一般人と、さっきのゾンビがいるね。
鎌瀬:なぁ!?に、逃がさなきゃ!?
唯:ダメだよ!このままほっといたら死んじゃうし!
善野:支部に連絡して、救護を要請する。それまで庇うぞ。……防御はお前の本分、だったよな?
唯:……! まかせてっ!
鎌瀬:よし、一般人には手を出させないぞ!今度こそその薄気味悪い刀を奪い取って、死体をもてあそぶのをやめさせてやるからな!
GM:よーし、再戦だな。目を見開いて楽しそうに笑いながら、少女は再びゆらりと刀を構えます。

 とても明るく神秘的な、月の夜のことだった。
 にたり、厭らしく頬に亀裂のような笑みを浮かべ、ゆらゆらと揺れている。
「……紅い月はお嫌いかしら?」
 脳を震わすような、甘く不気味な声で問いかける。

GM:先ほどとは比べ物にならない、明確な殺意を感じ取るだろう。さて、衝動判定の時間だ。目標値は8。
善野:精神は6と、侵食率補正が2……よし、余裕だな。
鎌瀬:俺も、レネゲイドビーイングだから衝動判定には強いからな!この程度なんだっていうんだ!
唯:……
善野:……どうした?
唯:ふぁんぶるした……

 唯の衝動判定ダイスは2つ。その両方共が1の出目を出していた。

GM:かわいそうに……では、唯だけ暴走を受けるよ。
唯:防御型なのに、ガードできないじゃん!うがー!
GM:防御型のくせに精神1なのが悪いんだ。さて、侵食率も2d10上昇させておくこと。
善野:はいはいっ、と。あと少しで100%なんだけどな
鎌瀬:もうそんなに??さっきリザレクトしたからですかね。
唯:あたしは全然だなー。まあ壁役ならこれぐらいがちょーどいいよね。
GM:暴走してるけどね。
唯:……わすれてた。がおー!

GM:さて、セットアップは……どうせないだろ。イニシアチブプロセス。さっきと同じで、鎌瀬からどーぞ。
鎌瀬:おうっ!さっきと同じ戦法だ。マイナーで2人から離れたあと、《コンセントレイト》《光の弓》《黒の鉄槌》!
GM:はい。8d10のC8ね。

 鎌瀬の達成値は18。少女はガードを選択した。ダメージは13で、軽減は10点。
唯:さっきのあたしより通ってない……
GM:どうしたの?さっきに使い果たした……?
鎌瀬:うるさーい!
GM:あはは、そんなこともあるよね。さて次は善野だ。
善野:おう。マイナーで移動、《コンセントレイト》《レインフォース》《砂の刃》。……100%いったぞ
GM:うむ。まあ、エフェクトレベルの適用は次からね。では8d10C8、判定いってみよう。
善野:……うわっ、達成値57……
GM:嘘だろ?避けられるわけないじゃん、ガードします。ダメージ出して。
善野:41。
GM:痛い。10軽減で、31通ったよ。
善野:《砂の刃》はガード値-5な。
GM:……忘れてました。36点ね。おおこわいこわい
善野:それでも硬ってぇな。
GM:さて、誰を狙おうか。ダイスで決めようかね。……おっと。喜べ唯だ。
唯:ほんとにー!?ほんとにー!?あたしの本領発揮ぃー!
GM:よかったねー。では唯にエンゲージして、《コンセントレイト》《さらなる波》《音速攻撃》《命の剣》。暴走状態だから、ガードできないね?
唯:武器ないから関係ない!いけるもん、やれるもん!
GM:よし、では13d10C7で行くよ。……達成値47。ダメージは……んー残念、そこまで高くなかったよ。35だ。どうする?
唯:耐えられるっ!《竜鱗》で、装甲を+10!
鎌瀬:……。そこに、《斥力障壁》だ!軽減ダイスは……1ぃ!?で、でも7軽減だ!
GM:むぅ、軽減して、17ダメージか……やるね。
唯:がーおー!敵さんだけど、助かっちゃった!ありがとー!
鎌瀬:ふーっはっはっは!せいぜい感謝することだなUGN!(得意げ)
善野:ったく……
唯:さて、あたしの番ー!マイナーで暴走治して、《鋼の肉体》で回復するよー!
善野:攻撃しないのか。
唯:しょーがないから、ヒーローたちに見せ場を取っといてあげる!攻撃は下手くそだもんねー!
善野:……。
唯:さーて……やったー!全回復ぅ!
GM:よし、一周したな。クリンナッププロセスの処理はナシ、次のラウンドに入る。
鎌瀬:よし、今度こそFHの威厳をみせてやる……!《コンセントレイト》《光の弓》《黒の鉄槌》!8d10C8で……達成値20。ダメージは29だ!
GM:むむっ、回避ワンチャン……いや、ないか。ガードするよ。
善野:よし。マイナーで《シールドクリエイト》、ガード値10の盾だ。そして《コンセントレイト》《レインフォース》《砂の刃》《クリスタライズ》。
GM:9d10C7だね。さあ、判定を。
善野:達成値32。ダメージは35。
GM:むむむむ……ガードは実質半減されるし。かといって避けられる気はしないな……まあ、まだいける。ガードするよ。
善野:30点か……
唯:ガード値-5は大きいねぇ、さすが!
GM:さて、こっちの番。標的は……お、鎌瀬?
唯:……ん、あれ?
鎌瀬:俺ぇ?
GM:《コンセントレイト》《さらなる波》《音速攻撃》《命の剣》と、《かまいたち》で射程を視界に変更。
唯:はあああ!?持ってたの!?
鎌瀬:ここここ、これ、もしかしなくてもヤバイ……!?
唯:あーあーうー、どうにもできない!ごめんなさい!
GM:では、13d10C7だ。……達成値51。ダメージは43……っとと、かまいたちの効果で38か。ぐるりと突然鎌瀬を見て、真空波で斬りつけてくる。
鎌瀬:せ、《斥力障壁》!頼むっ……!出目は、4か。10軽減!28ダメージ……って、丁度0だあああ!
唯:あっちゃー……
善野:おいおい、大丈夫かよ。次はないな。
鎌瀬:ぐう……リザレクト。こっちも、侵食率100超えた。
GM:おお、おめでと。じゃ、クリンナッププロセスの処理は今回もなし、次のラウンドだ。
鎌瀬:よくもやってくれたな!《コンセントレイト》《光の弓》《黒の鉄槌》!
GM:9d10C7。さあ、頑張れ。
鎌瀬:達成値59!
GM:ほんっと君出目が極端だな!?さあ来い!
鎌瀬:ダメージ、47!
GM:うわぁ、これは堪える……!ガードはするけど、まあ、うん……ぐちゅぐちゅいって再生してるけど、それも追いつかなくなってきたね。
鎌瀬:うぇ、やっぱり怖いぃ!?
善野:ケリをつけるぞ。《コンセントレイト》《レインフォース》《砂の刃》《クリスタライズ》。
GM:9d10、C7ね。どうぞ。
善野:達成値35。ダメージロール……30と、固定値15で、45ダメージ。
GM:んー、回避は……21、やっぱりダメかぁ。ぼろりと四肢が腐り落ちていく。
善野:刀を回収する。
唯:はっ。あたし取り上げるよ!近くにいるからね!
GM:オッケー。

 血に飢えし刀を奪われた少女は、まるでビデオカメラで早送りしたかのように急速に腐敗していく。
 やがてエージェントたちは到着し、被害者の保護が行われた。

善野:そういや、利害の一致で協力することになったが、お前は別に刀は追ってなかったんだっけ?
鎌瀬:あくまで通り魔の調査だったんです。でも、これで襲われたセルメンバーも一安心ですよ。ありがとうございま……って!つ、次はないぞUGNっ!
善野:相変わらずだな、お前は……
唯:(FHにも、こんなひとはいるんだ。……意外だったかも。)

◇バックトラック
善野:125%→96%、生還
鎌瀬:107%→79%、生還
唯:71%→46%、生還



 善野は、ケースに収められたExレネゲイド製の日本刀をぼんやりと見つめていた。
 先日の任務で回収した、屍人を操ってでも血を欲しがる代物。
 帰還した後手当を受けて、もう跡もわからないほどに傷口は塞がったはずだ。それでも疼く。この刀に呼ばれるように。
 ずくん。
 語りかけてくるように、刀は軽いワーディングを放ってみせた。
「……あいにく、堂々とした白兵戦は、俺の趣味じゃないんでな」
 おかしな思考を振り払うように、自身に言い聞かせるようにもして呟くと、研究室を後にした。